「生理じゃないのに出血?」―消退出血と破綻出血の違い

消退出血と破綻出血の違いとは?

「生理以外で出血がある…」「不正出血が続いているけど大丈夫?」と心配になることはありませんか? 実は、ホルモンバランスの変化によって起こる出血にはいくつか種類があります。その中でも 「消退出血」「破綻出血」 は、多くの方が経験する可能性がある出血です。

今回は、それぞれの違いや原因、どんなときに病院を受診した方がいいのかを分かりやすく解説します。


1. 消退出血(しょうたいしゅっけつ)とは?

ホルモンの急激な低下によって起こる、ある意味「予定通り」の出血です。

消退出血の原因

生理やホルモン治療の影響で、女性ホルモン(特にプロゲステロン)が急激に減少すると、子宮内膜を維持できなくなります。その結果、子宮内膜が剥がれ落ちて出血します。

消退出血が起こるケース

生理(月経):毎月の生理も、ホルモンの変化によって起こる消退出血です。
ピルやホルモン療法の中止後:ピルをやめた後や、ホルモン治療を中断したときにも出血することがあります。
妊娠初期のホルモン変化:妊娠が成立するとホルモンの変化が大きくなり、一時的に出血することがあります。


2. 破綻出血(はたんしゅっけつ)とは?

ホルモンバランスが乱れ、子宮内膜が不安定になって起こる「不規則な出血」です。

破綻出血の原因

女性ホルモン(エストロゲン)が持続的に分泌されても、排卵が起こらないとプロゲステロンが分泌されません。その結果、子宮内膜が必要以上に厚くなり、不安定になって崩れるように剥がれ、出血します。

破綻出血が起こるケース

排卵がうまくいっていないとき(無排卵性月経)
思春期や更年期など、ホルモンバランスが不安定なとき
ストレスや急激なダイエットでホルモンが乱れたとき

破綻出血は、生理とは違って 「ダラダラと続く」「周期がバラバラ」「突然出血する」 という特徴があります。


消退出血と破綻出血の違いは?

消退出血破綻出血
原因ホルモンの急激な低下ホルモンのバランス異常
出血のタイミング規則的(通常の生理)不規則に起こる
出血の特徴まとまって出るダラダラと続くことが多い
主なケース月経・ピルの中止後無排卵性月経・ホルモンバランスの乱れ

こんなときは病院を受診しましょう!

「生理以外の出血が頻繁にある」
「出血が長く続く」
「急に大量の出血があった」
「更年期でもないのに不正出血が続く」

ホルモンバランスの乱れによる一時的な出血なら問題ないことが多いですが、子宮の病気(子宮筋腫や子宮頸がんなど)が隠れている場合もあります。気になる症状があるときは、早めに婦人科を受診しましょう!

当院では、不正出血に関するご相談や、ホルモンバランスを整える治療を行っています。お悩みの方は、お気軽にご相談くださいね。

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理事長