流産手術

妊娠22週未満で妊娠が終わってしまうことを流産といいます。全妊娠の約15%が流産となり、そのうち80%近くが妊娠12週未満の早期流産に該当します。

主な原因は染色体異常など受精卵側の問題といわれており、妊娠中の生活習慣が直接的な原因となることはほとんどありません。

流産手術の必要性

流産された際、自然排出を待つ場合もありますが、自然排出が期待できない場合には流産手術が行われます。

手術のタイミングは慎重な検討が必要です。経過観察中に出血や腹痛が起こり自然排出され手術が不要となることもありますが、長期間自然排出されないと感染症等のリスクがあることから、1週間程度観察して自然排出が見込めなければ、安全性の高い流産手術を実施することで母体の健康を守ります。

流産手術の内容

1. 手術手順
   • 子宮内に手術器具を挿入し、胎児成分や絨毛成分などの子宮内組織を摘出します。
   • 摘出した組織は病理検査に提出されます。
   • 手術時間はおおよそ5–10分で終了します。
2. 合併症のリスク
   • 出血: 流産手術では一般的に出血は少量ですが、まれに多量になる場合があります。
   • 感染: 手術後の子宮内感染を防ぐために抗生剤が処方されます。
   • 疼痛: 術後数時間は痛みを伴いますが、鎮痛薬でコントロール可能です。
   • 子宮穿孔: 非常にまれですが、子宮に穴が開く可能性があり、その場合は内視鏡や開腹手術が必要です。
   • 子宮内容遺残: 子宮内に組織が残るケースがありますが、多くは自然排出されます。残量が多い場合は再手術が必要です。
3. 手術後の注意事項
   • 流産手術は日帰りで行われます。
   • 術後は1時間程度休息していただき、麻酔が完全に覚めた後に帰宅できます。
4. 術後の診療
   • 術後診察は、翌日・1週間後・2週間後の計3回行い、出血や子宮の状態、病理検査の結果を確認します。

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バルトリン腺治療

バルトリン腺は膣口の左右にあり、粘液を分泌して性行為をスムーズに行う役割を担いますが、ここにできもの等ができることで炎症が生じ、手術が必要になる場合があります。

バルトリン腺のできものと症状

1. バルトリン腺のう胞
   • 排出口が詰まり、腺内に分泌液がたまることで発生します。
   • 症状: 膣口の腫れ（ピンポン球程度まで大きくなることがあります）
   • 痛みはほとんどありません。
2. バルトリン腺炎
   • 細菌感染により炎症が発生します。
   • 症状: 赤み、腫れ、痛み（性感染症の淋菌以外に大腸菌やブドウ球菌が原因となる場合が多い）
3. バルトリン腺膿瘍
   • 炎症が進行し、膿が腺内にたまった状態です。
   • 症状: 外陰部の赤みや腫れ、強い痛み。立つ、座る、歩く際にも痛みを伴います。

治療方法

1. 急性期の対応
   • 抗生剤や鎮痛剤で症状を緩和します。
2. 膿瘍の治療
   • 穿刺術: 針で腫れた部分を刺し、膿や液体を吸引します。
   • 切開術: メスで切開し、粘液や膿を確実に排出します。
     • 時間: 約10分。
     • 術後2–3週間、毎週1回程度通院が必要です。
3. 開窓術
   • 再発防止のため、開口部を閉じずに排膿を継続する手術です。

注意事項 切開術の場合、術後の経過観察が必要です。遠方からの来院の場合は、術後の通院計画を事前に相談してください。

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この詳細な内容が、流産手術やバルトリン腺治療を検討している患者様にとってお役に立てれば幸いです。不明な点やご質問があれば、担当医までお問い合わせください。

手術の料金等については、こちらをご参照ください。